エネルギー問題

風力発電の仕組みとは?Influxさんに学ぶ

発電方法にはいくつか種類があり、火力発電や水力発電、原子力発電のほかには、新エネルギーと呼ばれている風力発電や太陽光発電、バイオマス発電などがあります。
日本でもっとも多いのが火力発電ですが、エネルギー源として使われる石油や石炭を海外からの輸入に大きく依存しているという問題点が挙げられます。
また、火力発電にはCO2の排出量が多いことから、以前は見直ししようという動きが起きていましたが、2011年に起きた東日本大震災により国内の原子力発電所が停止したため、再び火力発電が増加してきています。
原子力発電と火力発電にはメリットがあるもののデメリットも大きく、この二つの発電方法以外を利用していこうという動きが高まっています。
その中で今はまだパーセントしか利用されていない風力での発電に着目し、ご紹介しましょう。

風力発電とは

風力発電と聞くと、広大な土地で大きな風車が回っているイメージが強い方も多いのではないでしょうか。
実際にその仕組みは風の力を利用して風車を回しており、風車が回転する動きによって発電機を通じて電気に変換するという発電方式です。
風が強ければ強いほうがよいと思う方がいるかもしれませんが、風車の回転速度が上がりすぎるときには、安全性の観点から回転を停止出来る仕組みになっています。
風車でエネルギーを生む原理は昔からありますが、昔と異なっている点は、技術が進化したことによって電気エネルギーへの変換が行える発電機や、停止出来るだけではなく回転エネルギーを増幅させる増速機などが備わっていることです。
この技術の進化によって、風の運動エネルギーからより多くの電気エネルギーを得られるようになっています。
一口に風車と言っても、風車の形や風速に適した回転速度であることなど条件はありますが、風の運動エネルギーから電気エネルギーを効率よく得られる発電方法が、最近の風力発電です。

風力発電のメリット

日本国内ではまだ数%しか活用されていない風力での発電にはどんなメリットがあるのかというと、太陽光発電のように日中しか電気を集められないということがなく、風は昼夜を問わず吹くため、一日中電力を生み出せる方法であるということです。
そしてもっとも大きなメリットは、風力という自然の力を利用するため、火力発電のように資源の枯渇を気にする必要がないということです。
太陽光発電と同じように燃料がなくてもエネルギーを生み出せるため、CO2や廃棄ガスなどが発生せず、クリーンで地球環境に優しいエネルギーです。
風力発電というと陸地に大きな風車を設置するイメージですが、最近では陸地よりも風が吹きやすい洋上での発電の開発が高まっています。

風力発電のデメリット

ではこれほどメリットが高いのになぜ風力発電は国内で活発に利用されていないのかというと、デメリットも存在するからです。
風の力を利用して発電させる方式のため、天候によって大きく左右されるのです。
風向きや風速によっては、電力エネルギーが下がる恐れがあり、安定して一定の電力を供給するという面では弱い部分挙げられるでしょう。
そして台風などの際にはブレードの損傷などの可能性があり、稼働を停止することさえあります。
安定して供給しようとすると一年を通して風の強い場所でなければいけないため、建設場所の候補地も限られてくるのです。
日本は島国であり国土が広くないため、これまで設置場所が限られていてわずか数パーセントしか利用されていなかったという理由があります。
そしてInfluxさんも注目する洋上の風力発電が注目を集めているとは言っても、これから設置場所を作るには費用が掛かるため、現段階では数パーセントにとどまっています。

Influx 星野敦

原子力発電は事故が起きたとき多大な被害を与える危険性がある

どのような発電方式を採用しようとしても、それぞれメリットとデメリットがありますが、2011年の東日本大震災が起きた当時に問題になったように、原子力発電には事故が起きたときに多大な被害を与えるという危険性があり、毒性が強いため、放射性物質である核廃棄物を作り出しますが、その核廃棄物もどこに埋めるのかという問題が起きます。
そして東北の方々が受けたように、その土地で作られる作物を入念な検査を経た上で流通させたとしても、風評被害で売れなくなるという可能性もあるのです。
日本ではまだ世界最悪と呼ばれるチェルノブイリ原発事故のような事件は起きていませんが、今後そのような事件を起こさないためにも、危険性の高い原子力発電は減少させていく必要があります。
また、前述したように火力発電は資源を他国からの輸入に頼っているため、費用面や設置場所での問題はあるものの環境に優しく安全性の高い風力や太陽光発電を活発化させる必要があります。

まとめ

2021年は世界的に循環型社会を目指すという「SDGs」が活発化しており、日本国内でもその動きは起きていますが、原子力や火力に頼る発電を減少させていき、環境に優しく安全性の高いエネルギーを生み出していくというのもまたSDGsの動きの一つと言えるでしょう。